マネさんの投稿:「施設に入れられてしまう」と繰り返し言う・・(第269報)

配信日: 2021年3月8日

皆さん、こんにちは。

本日は、少し悲しいケア体験をご紹介します。

ご自宅にお住まいの90歳、女性、要介護1のアルツハイマー病の人が、「『家で暮らせなくなったら施設に入れられてしまう』と繰り返し言う」という状況に対して、「ケアの専門家の方が『まだまだ自分で出来ることが沢山あります。一日でも長く住み慣れた自宅での生活が続けられるように、私たちがお手伝いします』とその都度繰り返し伝えた」ところ、うまくいったとのことです。

「娘さんが、『これ以上、物忘れが進んだら施設に行くしかないからね』と、ふと思ったことを言葉にしてしまったことを、ご本人はずっと気にしている。何気ない会話から、このような気持ちが度々起こる可能性がある」と加筆していただいています。

「感情・情動を伴う記憶」は残りやすいことが知られており、情動性記憶と呼ばれています。物忘れが強いアルツハイマー病でも、要介護1くらいの比較的軽度の人の場合、感情・情動による記憶の増強効果が維持されると言われています。

情動性記憶をうまく活用できると生活の助けになり得る(194報231報)のですが、今回のケア体験では良くない方向に働いてしまいました。ご家族も不安なので、やむを得ない面もあるのですが、「感情・情動は記憶を強める」ということを、お伝えしておくことは有用だと思います。

このケア体験では、繰り返しご説明することで、情動性記憶を塗り替えられたようで良かったです。

それでは、また来週。

数井裕光
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