ポムムさんの連続投稿:「昼御飯を食べてない」と訴える・・(第260報)

配信日: 2021年1月4日

新年明けましておめでとうございます。
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さて、本日は、1月1日に投稿していただいた、同じ認知症の人に関する2つのケア体験をご紹介いたします。

施設に入所されている101歳、女性、要介護3の人が、「昼食後に自室より出て来られて、『昼御飯を食べてない』と怒っていた」とのことです。そこで「昼食を食べた事を説明する」という対応をされました。しかしうまくいかなかったとのことです。「説明しても『話にならん』と言って、納得してもらえず、その後も『御飯もらってない』、『晩御飯、いつさ?』などの訴えが続いた」とのことです。

そこで、今度は、「早めにおやつを提供した」ところ、うまくいったとのことです。「この後、訴えはありませんでした」と加筆していただいています。

ポムムさんは、最初の対応法でうまくいかなかったことから、「御飯を食べていないと訴える」主たる原因は「食べたことを覚えていない」という物忘れではなく、「空腹」だと理解されたのだと思います。すなわち「昼御飯を食べていない」という訴えは「お腹がすいているので、何か食べ物をください」の遠回しな表現だったのですね。

これまでのケア体験に基づいて計算された認知症ちえのわnetでのそれぞれの対応法の奏功確率は、「食べたことを説明する」が66.7%(9件)、「食べ物を提供する」が100%(3件)です。前者の対応でも2/3の人はうまくいっているので、物忘れによる訴えの場合もあるようです。今回のケア体験から、認知症の人が、この訴えをされた時には、物忘れによるものか、空腹によるものかを考えて、対応を選択する必要があると思いました。

ただし、両奏功確率の元になったケア体験数はまだ少ないため、確率の信頼性は十分ではありません。皆様の投稿をお待ちしております。

それでは、また来週。

数井裕光
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