けんけんさんの投稿:不安になると「息が苦しい」と訴える ・・(第230報)

配信日: 2020年6月8日

皆さん、こんにちは。

本日は、64歳、女性、要介護1の前頭側頭型認知症の人のケア体験をご紹介します。

「不安になると『息が苦しい』と訴える」という状況に対して、「時々本人がしていた自慢話を持ち出してみた」ところ、うまくいったとのことです。

この認知症の人は、これまでにも同様の状態になることがあり、(1)深呼吸を促す、それで駄目な時は、(2)パルスオキシメーターを使って(動脈血酸素飽和度の)数値を見せていたとのことです(このパルスオキシメーターの使用は、以前のメルマガでご紹介しました)。

しかし今回は、症状が軽減しなかったので、「やりたかった仕事の採用試験に、専門職の人を差し置いて合格した」というご自慢のお話を思い出し、とっさにしたところ、症状が治まったとのことです。ケアされたご家族も、「(効果があって)驚かれた」とのことです。

ご自慢のお話は、認知症の人の自己肯定感を増して、不安を軽減させるのですね。このケア体験から、認知症の人がするご自慢のお話を把握して、それを話題にすることで、様々な症状が軽減できるのではないかと思いました。

今回のケア体験から、さらに一つ対応法を発想しました。

前頭側頭型認知症の人の特徴的な症状として、同じ事を繰り返しするという「常同行動」があります。同じ物を食べると「常同的食行動異常」、同じ道を同じ順で歩くと「常同的周遊」と呼びます。

同じ話を繰り返すことも有り、これを「滞続言語(たいぞくげんご)」と呼びます。この「滞続言語の内容を把握して、その話を周囲の人の方からする」という対応も、この疾患の人の、様々な症状に有効かもしれないと思いました。

皆さんに、実践して、ケア体験として投稿していただければ嬉しいです。

以下は、事務局からのお知らせの再掲です。

今年の10月に、第28回日本精神科救急学会学術総会を高知市で開催予定です。

認知症ちえのわnetの活動は、大阪大学医学部において、5年ごとに倫理審査を受けることになっており、2020年3月31日に5年の期限を迎えました。これに伴い、利用規約を修正して再度倫理審査を受け、2020年4月1日以降の活動継続が承認されました。新しい利用規約は2020年4月1日から施行開始となっておりますので、2020年3月31日までに利用者登録された方が、2020年4月1日以降にケア体験を投稿して下さる場合は、ご投稿前に新しい利用規約に同意していただく必要がございます。よろしくお願い申し上げます。

ケア体験を投稿される方へのお願いです。
認知症の人のある症状に、ある対応をしても、うまくいく時と、いかない時とがあると思います。そこで、ちえのわnetには、うまくいった時、うまくいかなかった時、それぞれの回数分のケア体験を、投稿していただきたいと思っています。10回程度のケア体験をいただければ嬉しいです。
繰り返し投稿していただく際には、投稿する直前に一度、「下書きとして保存」すると、次の投稿の際に、この「下書き」が利用できますので、簡便に繰り返し投稿が出来ます。

引き続き、認知症ちえのわnetをご支援くださいますようお願いいたします。

それでは、また来週。

数井裕光
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認知症ちえのわnet運営事務局
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