こなつさんの投稿:トイレの場所がわからず外で排泄・・(第194報)

配信日: 2019年9月30日

皆さん、こんにちは。

先週、登録利用者数2000人を達成いたしました。このメルマガを受信していただいている全ての皆様に感謝申し上げます。

さて、本日は、78歳、男性、要介護2のアルツハイマー病の人のケア体験をご紹介いたします。

「トイレの場所がわからず、家の外で排泄をする」という状況に対して、「本人が好きな犬の写真をトイレのドアに貼り、トイレを探している様子の時は『わんちゃんのところよ』と言いながら、誘導した」ところ、うまくいったとのことです。

この方は、「アルツハイマー病なので、トイレの場所が覚えられないために、家の外で排泄した」可能性が高く、「前頭側頭葉変性症の人が脱抑制のために、『排泄はトイレですべき』という規範に従おうという気持ちが薄くなり、家の外で排泄した」というような理由による可能性は低いと、まず考えられたのだと思います。

次に記憶を増強することを考えられ、情動性記憶の活用を思いつかれたのだと思います。

「嬉しかったこと」、「悲しかったこと」、「恥ずかしかったこと」など、情動が喚起された出来事の記憶が残りやすいことは、私たちも日常的に経験しています。このように情動が記憶を増強する仕組みが、私たちの脳には備わっています。「嫌だった、辛かった」という陰性の感情も、「楽しかった」、「嬉しかった」という陽性の感情も、ともに記憶を増強させます。当然のことですが、認知症の人の記憶を増強させるためには、陽性の感情の活用が好ましいです。

今回のケア体験では、「ご本人が好きな犬の写真」を活用されました。大好きな子供さん、お孫さん、俳優さん、スポーツ選手さん、ペットちゃんなどのお写真が多くの人に使いやすいと思いますが、今回の認知症の人は、「失語もあり、言葉での説明が難しい」とのことなので、写真がより有効だったのだと思います。

アルツハイマー病の人でも、比較的軽症であれば、情動が記憶を増強する効果は、健常高齢者と同等であることを、私たちは報告したことがあります。英語ですが、ご案内申し上げます。

以下は事務局からのご連絡の再掲です。

現在、特定ケア体験の集中投稿をお願いしております。

認知症ちえのわnetでは、「頻度の多い症状に対する、よく行われている対応法」の奏効確率(成功率)を、今後より一層、明らかにしていきたいと思っています。また奏効確率(成功率)の信頼性を高めるために、それぞれの「症状と対応法」のセットを100件ずつ、集めていきたいと思っています。皆様のご投稿をお願い申し上げます。

ある認知症の人の同じ症状に対して、同じように対応しても、うまくいった時とうまくいかなかった時とがあると思います。そこで、ちえのわnetには、お一人の認知症の人の同じ症状に対して同じ対応を行ったケア体験を10回分くらいずつ投稿していただきたいと思っています。うまくいった時には「うまくいったケア体験として」、「うまくいかなかった時には」うまくいかなかったケア体験として。
みきゃんちゃんさん、いつも複数個のケア体験投稿、ありがとうございます!!)

繰り返し投稿していただく際には、投稿する直前に一度、「下書きとして保存」していただくと、次の投稿の際に、この「下書き」が利用できますので、簡便に繰り返し投稿が出来ます。よろしくお願い申し上げます。

「認知症ちえのわnet」の投稿法の解説を改訂しました。「場所と時間」からの集計結果の閲覧はこちらです。

それでは、また来週。

数井裕光
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認知症ちえのわnet運営事務局
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