こなつさんの投稿:自宅にいるのに自宅に帰ると言う・・(第159報)

配信日: 2019年1月28日

皆さん、こんにちは。

本日は78歳、男性、要介護2のアルツハイマー病の方に関するケア体験をご紹介します。

「自宅にいるのに、自宅に帰ると言う」という行動に対して、「家の中で、掃除などの家事をお願いした」ところ、うまくいったとのことです。

「言語障害が強く、言葉の理解と発語が不自由です。言葉を使わない作業というのが本人には合ったのだと思います」とコメントしていただいています。家事作業に熱中でき、家の中の役割を持てたことで、家族の一員であることを実感できた、すなわち自分の居場所を確認できたことで、自分の家だと思えるようになったのだと思います。「自宅にいるのに自宅に帰る」と言われる方は、少なくともその時は、疎外感を感じておられるように思います。

ご本人は「嫌でたまらない」とよく発言していたとのことなので、言葉の障害をご自覚され、思い悩んでいたように思います。言語障害が強くなると、その方が持っている真の認知機能よりも、認知検査の得点が低く出てしまいがちです。認知検査は言語を介する課題が多いからです。だから認知検査の得点で顕著な認知障害を有していると判断された認知症の方でも、全般的な認知機能はかなり保たれ、この方のようにご自分の障害に思い悩まれる場合があります。

やはり認知症の方に対しては、認知症の原因疾患、どんな機能が障害され、どんな機能は残存しているのかを把握した上でパーソン・センタード・ケアの立場で、適切な対応法を考えることが大切です。認知症専門医、かかりつけ医、ケアの専門家、その他ご家族を支援する皆様は、この情報のご家族への提供をお願いいたします。

事務局からお知らせの再掲3つです。
ご一読をお願いいたします。

BPSDに対する適切な対応法を探索する助けになればと思い、「認知症対応方法発見チャート」を新設しました。

ちえのわnetへのケア体験投稿の際のお願いです。「認知症ちえのわnet」では奏効確率を計算するために、ケア体験の「どんなことがおこりましたか?」の欄と「これに対してどのように対応しましたか?」の欄には、ともに1種類の内容を記載していただくことを基本としています。ただし複数の対応法を連続して行ったからこそ、うまくいった場合は、「○○、××、△△の一連の対応」というように記載してください。また何回も同じ出来事がお一人の認知症の方におこることがあると思います。その際には、お手数ですが、その回数分、ケア体験のご投稿をお願いいたします。お一人の認知症の方の、同じ出来事に対する同じ対応法に関するケア体験のご投稿回数の目安は、7~10回までと考えています。

それでは、また来週。

数井裕光
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認知症ちえのわnet運営事務局
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