皆さん、こんにちは。
本日は、75歳、女性、要介護4のアルツハイマー病の方のケア体験をご紹介します。
ご自宅での出来事で、「財布がないと探し、人を疑う」という状況に対して、「探して本人が自分で見つけたかのように置いておく」という対応をしたところ、うまくいったとのことです。
普段のご本人の様子を観察し、「財布をどこに置き忘れることが多いのか、どこにしまうことが多いのか」を把握しておき、その上で、ご本人が財布を探し始めた時に、それらの場所をそれとなく探して財布を発見する。その時に、「ここにありましたよ」とは敢えて言わずに、ご本人に見つけてもらうようにするという対応法だと思います。「ここにありましたよ」と言って手渡すと、「あなたが隠していたのか?、盗ったのではないか」と言われる可能性があるので、避けたのだと思います。
要介護4とやや重度のアルツハイマー病の方なので、置き忘れる場所やしまう場所が、ある程度決まっているように思います。これがうまくいった要因の1つかなと思いました。軽症の方であれば、アルツハイマー病の人でも、財布の置き場所を、ご家族と一緒に決めて、覚える練習がうまくいくこともあると思います。
今回の対応は認知症の人の重症度を考慮して選択された方法だと思いました。皆さんの参考になれば幸いです。
以前からお願いしているアンケート調査ですが、いよいよ終わりに近づいて参りました。今年の6月から、私達チームで非薬物療法指針の作成を開始しますが、このアンケート調査結果で、多くの方が実施している/受けている/関心・興味を持っている療法の記載を厚くしたいと思っております。多くの皆様のご協力ありがとうございました。
それでは、また来週。
数井裕光
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認知症ちえのわnet運営事務局
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