すーさんの投稿:昔の隣人が自宅に来ていると言う・・(第364報)

配信日: 2023年1月2日

新年明けまして、おめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

本日は、88歳、男性、要介護2の認知症を伴うパーキンソン病の方のケア体験をご紹介します。

「『昔の隣人が自宅に来ている』という幻視が出現した」状況に対して、「みかんを渡して、自分で剥いて食べてもらった」ところ、うまくいったとのことです。

「短時間であっても、みかんを剥くという作業に集中することで、幻視から注意がそれたことがよかったのではないかと推測しています」と加筆していただいています。

今回の対応法では、単なる言葉かけだけでなく、実際の作業をお願いされました。そのため注意をそらす効果が高かったのだろうと思いました。また以前のメルマガでご紹介しましたが、「飲み物を渡して」、温かい、冷たい、その他の味覚を感じる事も、きりかえの効果を増強するように思います。今回のケア体験の「みかんのおいしさ」も、きりかえ効果を増す要素となっていたかもしれないと思いました。

ご本人が集中している対象や出来事から他の物や事に注意を切り替える対応法は、様々な場面で有効だと思います。そして多くの皆さんが、様々な方法で切り替えていただこうとして、うまくいった/うまくいかなかったというご経験をお持ちだと思います。このような情報を集積して整理したいと思いますので、ケア体験の投稿をお願いいたします。

本日は、あらためてのご案内となりますが、第10回認知症疾患医療センター全国研修会(今月28日(土曜日)にオンライン開催)が近づいて参りました。すでに、多くの皆様にご登録をいただいておりますが、まだ若干の余裕があります。お申し込みの締め切り日時は、2023年1月10日(火)の23:59となっております。皆様のさらなるご登録をお待ちしております。

それでは、また来週。

数井裕光
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認知症ちえのわnet運営事務局
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